開催報告 9/4開催 スキルアップ研修会
2019年9月4日(水)に、「『自分事として相手に向き合う』 ~手のひら健康バレーの体験から~」と題してスキルアップ研修会が開催されました。講師は手のひら健康バレー協会の会長である牧野正雄様です。手のひら健康バレーは子どもから高齢者まで、さらには障がいの有無にかかわらず同じルールで、ボールを手のひらに当てて、落とさずラリーが何回続いたかを仲間と一緒に楽しむものです。「ボールひとつで笑顔になれる」のキャッチフレーズのとおり、常に笑い声があふれる室内レクリエーションスポーツです。
研修では、まず手のひら健康バレーの歴史や基本ルールについて説明を受け、その後実際にプレーを体験して、チームプレーに求められるコミュニケーション能力について学びました。
最初のプレーでは技術的指導は行われず、受講者それぞれのやり方でプレーを体験しました。ラリーを続けるために必死になって相手に返すことだけに集中していた人がほとんどでした。牧野講師からは、これが初心者の状態なので、自分がベテランになってから初心者に接するときに、その状態を忘れないでいてほしいとコメントがありました。
その後、牧野講師より技術的指導をレクチャーしていただき再度プレー。最も重要なこと、それは「受ける側より、渡す側への配慮」であり、この気持ちが一番大切なポイントであることを学びました。「技術より相手と向き合うことが大切」という言葉も印象的でした。学んだポイントを心がけてプレーを続行。体験の途中では脳トレパスも体験。これは相手の名前を呼びながら同時にパスを出すという、一度に2つの異なる行動を行う練習です。相手の立場を考え、相手の状況に配慮しながらパスを出す、受け手の状況を理解しパスを出す効果的な練習でした。
手のひら健康バレーは6人でチームを作り、その人員配置はネットを挟んで3人対3人です。通常のスポーツではネットを挟んだなら必ず敵と味方に分かれます。しかし、手のひら健康バレーはコートを挟んでも敵ではなく皆が味方です。これはスポーツとして他に類がないものです。
常に相手のことを考えながら最良のパスを出す、そのために最善の戦略を考えてチームビルドをしていく楽しさを体験。チームの中に子どもや高齢者、障がい者がいてもパスを出す側が、受ける側に対して状況把握をしながら相手の立場を考えてパスを出すことでプレーが成立します。これが誰でも参加可能なスポーツである由縁です。これまでさまざまな体験を重ね、コミュニケーションにおいては常に相手に対して傾聴することが重要であると学んできましたが、手のひら健康バレーを実際に体験して、相手を思いやる気持ちの大切さを改めて感じました。そして、このスポーツが誰でも参加できるものであることを実感し、スポーツおよびスポーツボランティア活動の多様性へと繋がるものであると確信しました。今後のボランティア活動のみならず社会生活すべてに活かせる貴重な体験ができた研修会でした。
作成者:川村徹夫