2021年3月15日、プロジェクト「From」代表の横山泰治氏を講師に、スキルアップ研修会「スポーツSDGs 社会課題を解決するスポーツの可能性と実践~SDGsカードワークを通じて~」を開催しました。
(1)SDGs(エスディージーズ)とは
2015年9月25日に国連の持続可能な開発サミットにおいて、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」が全会一致で採択されました。このアジェンダは国連に加盟する193カ国が2016年から2030年の15年間で達成しようと掲げられた行動計画です。SDGsはこのアジェンダに盛り込まれています。「Sustainable Development Goals (持続可能な開発目標)」の略称ですが、国際的には「Global Goals(世界全体で達成するゴール)」と理解されています。特徴は途上国だけでなく、先進国も含まれていることです。SDGsの重要な考え方は、「誰ひとり取り残さない」こと。世界中に生きるすべての人がSDGsの対象であり、自分事としてとらえることが大切です。また、「5つのP」として、People(人間)、Prosperity(繁栄)、Planet(地球)、Peace(平和)のための目標であり、互いに連携するPartnership(パートナーシップ)によって実現を目指すのが、SDGsというゴールです。
(2)SDGs の17のゴール
SDGsは全部で17のゴール(目標)と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。
SDGsの17のゴール
1.貧困をなくそう 2.飢餓をゼロに 3.すべての人に健康と福祉を 4.質の高い教育をみんなに 5.ジェンダー平等を実現しよう 6.安全な水とトイレを世界中に 7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに 8.働きがいも経済成長も 9.産業と技術革新の基盤をつくろう 10.人や国の不平等をなくそう 11.住み続けられるまちづくりを 12.つくる責任つかう責任 13.気候変動に具体的な対策を 14.海の豊かさを守ろう 15.陸の豊かさも守ろう 16.平和と公正をすべての人に 17.パートナーシップで目標を達成しよう
(3)スポーツSDGs
スポーツの力を活用しようという取り組みが「スポーツSDGs」です。「2030アジェンダ」の中に「社会課題を解決するスポーツの可能性」として、「スポーツもまた、持続可能な開発における重要な鍵となるものである。我々は、スポーツが寛容性と尊厳を促進することによる、開発および平和への寄与、また、健康、教育、社会包摂的目標への貢献と同様、女性や若者、個人やコミュニティの能力強化に寄与することを認識する」と明記されてます。ここから、スポーツボランティアもSDGs達成に関連する活動の1つであると考えられます。
(4)SDGsカードワーク
研修会ではSDGsを自分事と感じることを目的に、「自分の未来と、SDGsから見た未来が重なっているかを確認するワーク」も行われました。事前に郵送されたSDGsのゴールが書かれた17枚のカードを使い、参加者はまず、自身の直近の予定をひとつ思い浮かべ、その予定と最も関連する目標のカード1枚を選んで中央に置きます。次に、そのカードとつながる他の目標のカードを選んで並べ、さらにそのカードに関連するカードを並べていく」という内容です。並べ方は自由ですが、大切なのは、「正解はなく、納得解(カード)を見つける」「周りの人と比較しない」「点数や評価もされない」の3点を念頭にカードを選ぶことという指示がありました。その後、他の参加者と内容をシェアし、意見交換をしましたが、各自の予定はどれも、17のゴールと何らかの関係があり、やりがいや価値のあるものだと分かりました。そして、私たちそれぞれの存在が、世界の未来につながっているかもしれないと気づくこともできました。
スポーツボランティア活動もその一つであり、世界を構成する一員としての役割を果たせるように、これからも誇りと責任感を持って活動していこうと改めて意識しなおす、よい機会となりました。