『ラグビーワールドカップ2019ボランティアを語る』という題目で2020年2月8日福島県福島市の福島学院大学駅前キャンパスで43名の参加者を得て開催しました。ラグビーワールドカップ(以下RWC)2019でボランティア活動を行った渡部啓亮氏(東京会場)、齋藤道子氏(釜石会場)、元RWC組織委員会ボランティアマネージャーの神野幹也氏、事務局の但野秀信氏がファシリテーターを務め、座談会形式で進行しました。RWC2019について語りあい、この経験を福島の地域振興や東京2020大会、さらにはワールドマスターズゲームズ2021関西大会、2026アジア大会等にどうつなげるかを展望しました。
RWC2019では、ボランティア採用人数1万人に対して3.8万人の応募があり、採用枠を広げて1.3万人を採択した。インタビューロードショーやE-ラーニングなど複数の研修プログラムを経て活動。12開催都市のスタジアム、ファンゾーンや駅等で大会運営に携わり、主催者と観客の橋渡し役および大会の顔として活躍しました。
18歳から89歳までの多様な年代国籍(32か国)の方が参加し、ラグビーを好きな人も知らない人も、ボランティアが初めての人もそうでない人もボランティア活動をした。主催者側が『ボランティアをしている人が笑顔で楽しんでいることが一番大事』との意識を明確にしていたことで、ボランティアにとって満足度が高く、やりがいのある活動になったようです。
東京で活動した大学院生の渡部氏は、「多くの外国人とのコミュニケーションが最初は不安だったけど、活動してみればあっという間にその壁は取り払われ、多文化に触れ合える有意義な経験ができた」とのことでした。また、1年半の長い研修プログラムの末、結局1試合のみの開催となってしまった釜石会場でも、その1日は清々しく、福島同様に東日本大震災を乗り越えてきた釜石の思いを共有する貴重な経験ができたそうです。予想を超える盛り上がりとなった今大会、「ボランティアとして関われたことに感謝している」とのことでした。
参加者からは、「現場の実体験を生の声で聞けた」、「本音で話(体験話)をしていて納得できた」、「具体的で今後の活動にプラスになった」、「ボランティアとしての自らを重ね合わせて聴き、有効な講座だった」などという声が多々ありました。また、RWC2019運営側の実体験やスタッフ秘話など色々な話を聞けたという、公開講座に参加したからこそのお得感もあったようです。
「ボランティアの楽しさややりがいが理解でき、公開講座を聞いて少しでも多く参加したいと思った」、「東京2020のボランティアの参考になった」、「意欲が沸いた」、「スポ・ボラの意味を再認識できた」、「ボランティアの楽しみを新たに気づいた」、など前向きに活動したいという気持ちも多く聞かれました。2020年はオリンピックの競技会場となる福島市で、ビッグイベントに参加したボランティアの生の声を聴けたことで、モチベーションが一段上がる貴重な講座でした。
【報告者:田崎恵美子(うつくしまスポーツルーターズ)】