2017年10月25日(水)『多様な文化・習慣を有する外国人への対応方法を理解しよう~伝わるコミュニケーション方法を用いて~』と題した公開講座を開催し、45名の方々にご参加いただきました。今回ご登壇していただきました福田聡子氏は、グローバル・エデュケーションアンドトレーニング・コンサルタンツ株式会社で自立型人材育成に関わるコンサルタント・ディレクターとしてご活躍されています。
今回の講座は講義と共に演習を多数行い、実践的な伝わるコミュニケーション方法を学びました。まずコミュニケーションエクササイズでは、視覚を制限し言語だけで模写をしました。2人組でお互い背中合わせになり、Aさんは言葉のみで自分の描いた絵の説明を行い、Bさんはその説明を基に絵に表します。Aさんが描いた絵にどの位近づいたかを確認します。出来栄えとプロセスを話し合うことで、「憶測」や「思い込み」はなかったか、「イメージの確認」はあったか等を振り返りました。
他者理解の講義では、人の行動の背景を知るために氷山モデルを引用し、氷山の水面下にあたる人間の持っている「価値観」「信念」「態度」が、実際の行動に影響を与えていることが多く、水面上の見える部分の「行動」だけでなく水面下を理解することが他者理解に繋がることを学びました。例えば人間関係を築くとき、日本人は間接的な言語表現をするのに対し、アメリカ人は直接的な言語表現をします。これには歴史的な背景が関係しているようです。さらに表現方法は民族的な特徴があり、アジア系の人々はハイコンテクスト(以心伝心、読み取る力が高い)、ヨーロッパ系の人々はローコンテクスト(1から10まで説明する、読み取らずに意図を確認する)の傾向にあるようです。
最後に右脳型語学学習法の紹介があり、目標に対し具体的なイメージ、ビジョンを持ち、完成形を想定したうえで進めていく方法との解説がありました。ゼロベース志向で英語をマスターした自分をイメージし、プライベートやキャリアで起きている具体的な場面を相手に伝えるという演習を行いました。また、自分の故郷を英語で紹介できると非常に役立つそうで、英文を作成し大きなジェスチャーと笑顔で表現することによりさらに相手に伝わることを学びました。
東京2020オリンピック・パラリンピックの開催が決定し、多種多様な文化・習慣を有する外国人と交流する機会がますます増えていきます。本日の講座で諸外国の文化の違いや特徴を学び、スポーツボランティア活動をはじめとする様々な場面で、おもてなしの心をもって外国人と接していきたいと思いました。
【報告者:三浦 悦子】