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スポーツボランティア公開講座

開催報告 2016年度 第4回公開講座

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2016年度 第4回公開講座
2016年度 第4回公開講座

2017年1月18日(水)「RIO2016パラリンピックのボランティア取材報告~東京2020につなげる想い」と題した公開講座に50名の方にご参加いただきました。過去夏冬4回のパラリンピックの取材に行かれた星野恭子氏に、昨年のリオパラリンピックのボランティアについて取材で体験したこと、感じたこと、また2020東京パラリンピックへの課題などをお話いただきました。星野氏からは、主に以下のようなお話がありました。


RIO2016大会前は期待と不安がありました。期待は、南米初めての大会で大変盛り上がったロンドン大会の次だということ、さらに東京大会の開催前最後の夏季大会だということ。不安要素は資金面の不足と治安面でした。実際はどうだったかというと実に楽しかったという感想です。ボランティアの人数は予算の関係で25,000人から15,000人に減ってはいましたが、ブラジルの人たちの明るさとハートで決して見劣りのする状況ではありませんでした。


今回の大会では世界新記録、大会新記録が多数でていて、多くの国々が以前より障害者スポーツに力をいれているのを認識することになりました。結果としては日本のメダルランキングは64位で、ロンドン大会では24位で金メダルが5個でしたが、今回は金メダルなしという成績におわりました。


東京2020に向けて日本パラリンピック委員会は、結果を分析して選手へのサポート、JOCとの連携強化、選手発掘などの強化事業を見直すことになっています。ちなみにリオのパラリンピックのメダルは振ると音が鳴ります。金、銀、銅のメダルの音は少しずつ違っているので、視覚障害の選手もメダルの色が違うことがわかるように配慮されていました。


現地のパラリンピックに対する関心度は、開催前には不安視されていましたが、チケットの売り上げは210万枚とロンドン大会に次ぐ売り上げでした。州政府等が子どもたちに33,000枚のチケットを無料で配布したり、チケットの値段も300円からと安く設定されており、行きやすかったともいえます。ラテンの特有の明るさとノリで、スポーツ観戦を楽しむ文化があり、選手を応援するのと同時に自分たちも大いに楽しんでいたのが印象的でした。


RIOのボランティアは、人数の削減はありましたがオリンピックから引き続き活動をしているボランティアもいるので慣れているようにも見えました。今回RIOではほとんどポルトガル語だけが話せるボランティアが多く、言葉が通じないもどかしさもあったのは事実でしたが、陽気で明るく言葉の壁があってもハートで補い、なんとか力になろうとしてくれました。ボランティアの中には障害のある方もいて、実際に活動しているのを見ることもできました。


東京2020に向かっては、沢山の方にパラスポーツに関心を持って好きになっていただきたいと思っています。パラスポーツの大会は各地で頻繁に開催されていますので、ぜひ観戦に行っていただきたいです。東京マラソンにも車いすマラソンの部に男女とも世界トップクラスの選手が出場することになっています。障害者の方のサポート方法を学んでみたいという方には"日本財団パラリンピックサポートセンター"の「あすチャレ!Academy」なども参考になると思います。


会の後半は、質疑応答の形式で進められ、以下の様な会場からの質問にお答えいただきました。


Q1 オリンピックとパラリンピックでのボランティア活動に違いはありましたか。
A1 基本的には同じですが、障害者スポーツには競技によって器具やルールが健常者と異なる場合がありますので、その点を理解してからの活動になります。
Q2 交通機関でのボランティアはどうでしたか。
A2 会場間の移動は主にバスでした、乗降に関しては少ない感じはしましたがボランティアがサポートしていました。
Q3 2020東京大会のパラリンピックで障害者のアスリートを迎えるに当たりどのような心構えが必要でしょうか。
A3 日本人は皆さん優しいのですが、真面目で恥ずかしがり屋な面があると感じています。
何か困っていそうな方がいたら勇気をもって"大丈夫ですか"ではなく "何かお困りでしょうか"と声をかけてください。車いすの方へのマナーなど今から日常的に考えていただければと思います。

【報告者:及川 登代子】


タイトル
RIO2016パラリンピックのボランティア取材報告~東京2020につなげる想い
登壇者
星野恭子(JSVN特別講師、スポーツライター)
日時
2017年1月18日(水)18:30~20:30
会場
東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル
講座内容
プレスとしてみた大会運営、競技、ボランティアなどの取材報告

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