2016年9月25日(日)、「東京2020大会に向けた観光ボランティアについて~東京の観光の魅力と『東京都観光ボランティア おもてなし東京』の活動を中心に~」と題した公開講座を開催し、32名の方々にご参加をいただきました。
第一部では、東京都産業労働局観光部の加耒順也氏に、東京の観光を取り巻く現状と都の観光施策、とりわけ東京都の観光ボランティア「おもてなし東京」の活動を中心にお話をいただきました。
多くの人が関心を持っている東京2020大会のボランティアについては、主に競技会場や選手村などで大会運営を支える「大会ボランティア」と、主要な観光スポットや駅などで観光や交通の案内をする「都市ボランティア」とに役割を分け、共に大会の2年前に募集が開始される見込みである。「都市ボランティア」については、現在東京都が推進している観光ボランティア「おもてなし東京」で活動する人たちが中心的な役割を担うことを期待されている、とのこと。
現在、東京都が募集等を行っているボランティアは、東京都観光ボランティア「おもてなし東京」(外国人旅行者に対して、観光案内を行うボランティア。試験はないが、一定の語学力が必要。毎年研修あり)と、「外国人おもてなし語学ボランティア」(おもてなし講座と語学講座を受講すると修了証が発行され、受講者がそれぞれの日常生活の中で外国人旅行者に対して道案内等による手助けを行う)、「東京マラソンボランティア」などがあり、東京2020大会に向け、色々なボランティア活動に参加してスキルアップをしていただきたい、とのこと。
また、「おもてなし東京」に登録しているボランティアは現在1940名で、毎年500名程度募集をして、東京2020大会までに3000人程度まで増やしていく予定とのこと。その他、多言語による案内サインの充実や、Wi-Fi利用環境の整備といった東京を訪れる外国人観光客の利便性向上を図るための施策についても紹介がありました。
最後に、観光地を訪れるだけでなく、日本人との温かい交流を経験して帰る旅行者の多くは日本訪問のリピーターとなる傾向があり、そのことを踏まえると旅行者との親密なやりとりの中で観光案内をする観光ボランティアの役割は今後ますます重要になってくる。そのため、これからの観光ボランティアは、語学力を高めると同時に、コミュニケーション力も積極的に身につける必要がある。東京2020大会以降も見据え、外国人旅行者との交流の中で、相手の文化に共感・理解しつつ自分たちの文化に興味を持ってもらうなど、おもてなしの最前線で楽しみながら活動していただきたい、というお話をいただきました。
第二部では、クラブツーリズムまち歩き講師も務めるJSVN講師の澤内隆氏より、「なるほど」こそが学びであり、「へぇ」と思うことが異文化交流のエッセンスになる、というお話を、一般的な観光地ではない東京の様々な場所のスライドを見せていただきながらお話を伺いました。東京の歴史や地理について初めて聞くようなお話の数々に、受講者は熱心に耳を傾けていました。
【報告者:出樋 直子】
タイトル |
東京2020大会に向けた観光ボランティアについて
~東京の観光の魅力と「東京都観光ボランティア おもてなし東京」の活動を中心に~ |
---|---|
登壇者 |
加耒順也氏(東京都産業労働局観光部受入環境担当 課長)
澤内隆氏(JSVN講師、東京都レクリエーション協会理事) |
日時 |
2016年9月25日(日)9:15~11:45
|
会場 |
東京都港区赤坂4-18-13 港区赤坂区民センター
|
講座内容 |
|