2016年3月18日(金)、「『スポーツとボランティアの活動動機』~アメリカの事例をもとに~」をテーマに公開講座を開催し、20名の方にご参加いただきました。講師に東海大学名誉教授の西野仁さんをお迎えし、ボランティアの風土が定着しているアメリカの事例を紹介しながら、スポーツとボランティア、遊びについての本質的な考え方や、日本が米国のボランティア文化から学ぶべき点についてお話を伺いました。
ボランティアは自由意志、奉仕、無償であることが基本で、できる人ができることをみんなのためにやる、御仕着せではなく喜びをもってやる、ということを貫いている米国のボランティア事情について、イリノイ州のディストリクトパークや大学のキャンパスリクリエーションのプログラムを事例としてお話しいただきました。また、「教え合ったり、学び合ったり、伝え合うことで皆がいい気分になり輝いていることが大事」であり、「ボランティアとは労働力不足を補うためのものではなく、その人が社会に貢献したいという意思をスマートに現実のものにしてあげる」のがボランティア活動の本来あるべき姿であるとのお話が印象的でした。
スポーツもレジャーも「play 遊び」だから価値があるのであって、オリンピックが来たらこういう経済効果があるとか、メダルがとれる可能性があるものを強化する、という議論には違和感があるとおっしゃる西野教授。ボランティアの大事な役割としてスポーツを支えるということがあるが、「スポーツってこんなに素敵なものなんだ」ということが広く伝わるように、スポーツボランティアにかかわる人たちにはスポーツやレジャーの伝道師になってほしい、どこかの企画のお手伝いをするという感覚だけでなく、自分自身がやりたいことを自分で作るという発想が普通になっていってほしい、という熱いメッセージをいただきました。
まだスポーツボランティアを経験していない人はもちろんのこと、ボランティア慣れしている人にも是非聞いていただきたい、示唆に富んだ講演でした。
タイトル |
『スポーツとボランティアの活動動機』~アメリカの事例をもとに~
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登壇者 |
西野仁氏(東海大学名誉教授)
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日時 |
2016年3月18日(金)18:30~20:30
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会場 |
日本財団2F会議室1-3
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講座内容 |
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