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2021-09-17

不可能を可能に変えた東京2020大会(後編)

西川 千春さん

Nishikawa Chiharu

[所属] 笹川スポーツ財団特別研究員
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 ボランティア検討委員
日本スポーツボランティアネットワーク特別講師

不可能を可能に変えた東京2020大会 (前編)はこちら

アスリートから語られたボランティアへの称賛

試合会場での言語サービスの役割は、試合直後の選手の第一声を世界に伝えるお手伝いをすることです。ものすごいプレッシャーもありますが、それだけにやりがいのある、恵まれたポジションです。
英語はオリンピック・パラリンピック運営の公用語で、公式報道機関であるOBS(オリンピック放送機構)とOIS(オリンピックインフォメーションサービス)は英語で世界に配信を行います。それゆえ、言語サービスのボランティアは約30か国語を英語に通訳することが主な活動となります。

ゴールボール女子日本代表の萩原選手は
「コロナ禍の中、ボランティアをはじめとする関係者のお陰で、大会が開催されプレーができたことを感謝します」と開口一番述べていました。

また男子卓球団体準決勝で日本を破ったドイツチームのベテラン、「皇帝」のニックネームを持つティモ・ボル選手が、
「卓球は日本でポピュラーなスポーツなのは知っている。ファンにとっては無観客なのは残念。それでも日本が努力してくれてプレーができたこと、とても感謝している」と言ってくれました。

パラ卓球の英国代表で銀メダルを獲得したウィル・ベイリー選手も
「ボランティア達のおもてなしが素晴らしい!」と絶賛。
多くの選手が東京大会の開催と、日本がそのために努力してくれたことへの感謝を述べてくれました。
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写真:スロベニア代表 ダルコ・ヨルジッチ選手のインタビュー通訳

失われたボランティア同士の交流は、今後に期待

また海外のメディアもボランティアの献身的でエネルギーに満ちた対応を称賛しています。こういった困難の中であっても、笑顔で活動するボランティア達が世界中に感銘を与えたに違いありません。

卓球混合ダブルスで金メダルを獲得した水谷準選手は、団体でも最後の一戦に勝利して日本に銅メダルをもたらしました。今大会をもって現役生活から引退することを発表してます。
インタビューの最後は「ハッピーエンド!」で締めくくり。
その後に私に「ロンドンから何度も通訳していただき、ありがとうございました」と声をかけてくださいました。
本当に感激、またしても目がウルウルです。

一方で、以前のようにボランティア仲間同士での交流の機会が失われてしまったことは、本当に残念でなりません。
ボランティア同士の友情は、正にボランティアのやりがいです。
特に長期間にわたるオリパラの活動ではなおさらのことです。さらに言語サービスでは通常様々な国々からボランティアが集まります。リオやソチでの合宿生活にも似た交流が懐かしいです。早く日常のノーマルが戻って、仲間たちとの心おきない交流ができることを願っています。それまではSNSで我慢するしかないですね。
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写真:パラリンピック ゴールボール会場 関係者集合写真

全ての仲間と関係者に感謝を込めて

パラリンピック閉会式はオンラインのストリームで観ました。オリンピック・パラリンピックで放映される開会・閉会式や競技の映像はOBSが撮って、世界中の放映権を持った放送局に配信されます。従って、世界中の人達が同じ映像を観ているのです。
まさに今大会のモットーである、”United by Emotion”です。

OBSの映像は国立競技場周辺の航空映像をバックに、歴史的な素晴らしい大会であったこと、さらにボランティアのおもてなしや、大会の欠かせぬ一部であったことから英語の公式実況は始まりました。さらにアナウンサーはこう続けます

“… the people in Japan and Tokyo, who made impossible possible.”
「東京、そして日本の人達は不可能を可能に変えた」

まさに、東京大会は困難な中でも可能性を信じ、世界中にインスピレーションを与えることができたのです。この特別な大会の一員であったことは、本当に名誉なことだと思っています。そしてこの経験は一生の思い出になるに違いありません。

こうして5年以上に亘った、私の東京2020のボランティアジャーニーは、あふれる涙と共に終着駅へと辿り着いたのでした 。
オリンピック・パラリンピックを通じて世界中に感動と勇気を与えてくれた選手からは、人間には無限の可能性があることを教えられました。ボランティアとして少しでもサポートできたこと大変光栄、嬉しく思います。

また組織委員会をはじめとする、大会に携わったすべてのスタッフの方々。困難な中でも、皆さんのおかげでこの大会が開催できたこと、本当に感謝します。皆さんの血の滲むような努力なくして、自ら輝き、一生の思い出となるボランティア活動をすることはできませんでした。ありがとうございました。

そして最後に大会に携わったすべてのボランティア、また残念ながら様々な理由で参加できなかった仲間の皆さん。東京大会の思い出や経験は、これからの人生の大きな励みになって皆さんの背中を押し続けます。
これらもスポーツイベントやそのほかのボランティア活動で再会しましょう!

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写真:オリンピックスタジアムとオリンピックシンボルと一緒に

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