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2020-12-10

障がい者スポーツ大会のボランティアを機に、広がった視野と心豊かな毎日

江﨑 章子さん

Ezaki Shoko

[所属] 府中市市民活動センター プラッツ/JSVNスポーツボランティア・コーディネーター

スポーツボランティアを始めたきっかけは?

スポーツのある日常と支えの大切さ

スポーツボランティア活動を本格的に始めたのは2014年春、神奈川県の初級障がい者スポーツ指導者養成講習会の受講がきっかけです。その年の秋にはJSVNのスポーツボランティア研修も受けました。今は障がい者のスポーツ大会やマラソン大会などで活動を続けているほか、JSVNのライセンスも取得し、研修会の講師を務めることもあります。

幼い頃から体を動かすことが好きで、スポーツはずっと身近にありました。小学校時代にはバレーボールや水泳、剣道などに挑戦。中学はバレーボール部、高校はバスケットボール部、大学では2年生まで剣道部でした。

卒業後は高校の理科の教員となり、バレーボール部の顧問も8年間担当しました。練習の補助から合宿や遠征の食事作りなどいろいろ手伝いましたが、今思うと、これもスポーツボランティア的な活動でしたね。

また、教員時代に趣味でランニングも始め、マラソン大会に出場するようになって、ボランティアの力も感じるようになりました。例えば、1988年のハワイのホノルルマラソンでは時差ボケや睡眠不足のままスタートし、体調不良で30㎞すぎに立ち止まってしまったんです。頑張って走ろうとしましたが、ボランティアに諭され、救護所で1時間休憩すると復活。おかげで無事にフルマラソンを初完走できました。その後もさまざまな大会でボランティアの声に励まされ助けられた経験があり、「私もいつか、そんなボランティアになりたい」と漠然と思っていました。

その後、退職し、結婚、出産などでスポーツからはしばらく離れましたが、子育ても落ち着き、「何かしたいな」と思っていたところ、新聞で障がい者スポーツ指導者養成講習会の募集を知ったのです。「関わってみたい」と思ったのは、ちょうど東京2020大会の開催が決まってパラリンピックが注目されだしたことも理由の一つかもしれません。
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写真:マラソン大会は、給水や荷物預かりなど多くのボランティアによって運営されている

これまでに経験した主なボランティア活動についてご紹介ください

さまざまな驚きと気づきの日々

2014年から毎年、「神奈川県障害者スポーツ大会」で主に陸上競技や卓球の運営をサポートしています。選手の障がいはさまざまで、ほとんど寝たきりの人や体にまひがある人、外からは見えにくいけれど、知的障がいがある人など……。毎回、選手の能力の高さに驚き、感動しています。

実は携わる前には「障がいのある人だけの大会」と思っていましたが、いろいろな工夫があり、初めて体験する面白い競技や種目があって、「これは誰でも楽しめる、みんなのスポーツだわ」と考えも変わりました。

一方で、ショックだったこともあります。ある時、選手の誘導中に私が「普段の練習場所はどこですか」を聞くと、「練習はできず、ただ毎年この大会に参加することだけが楽しみ」と言われたのです。実はそういう選手も少なくないと知って、「1年に1回の大会を思い切り楽しんでもらえるように、私もボランティアとして頑張ろう」と改めて思いました。

今年はコロナ禍で皆さんの「ハレの舞台」が中止・延期されています。どうされているかしらと思うと胸が痛みますね……。

マラソン大会のボランティアも楽しんでいます。初参加は2014年の大会。事前説明会でベテランの方たちから「給水ボランティアは長靴が必須」など親切にご指導いただき助かりました。当日は35㎞地点の給水担当でしたが、ホノルルマラソンでの経験を思い出し、「皆さんの完走」を一生懸命応援しました。

2016年頃から2年間、JSVNの事務局ボランティアとしてライセンスカード作成などのお手伝いもしました。東京2020大会の影響もあってスポーツボランティア研修の受講者が急増し、忙しかったですが、「スポーツボランティアを支えるボランティアの存在」にも気づくことができた貴重な経験になりました。
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写真:SVNスポーツボランティア養成研修会の受講者に配布されるライセンスカードは、全てJSVN事務局ボランティアによって作成されている

これまでのスポーツボランティア経験から学んだことや魅力は?

広がった視野と交友関係

「障害者スポーツ大会」のボランティアでは、選手がそれぞれの目標に対して一生懸命に挑む姿に「人間の力」を感じますし、ボランティアとして選手が力を発揮する場を整え、選手の進化や記録更新を間近で応援できることにやりがいを感じています。

そうした活動を通して、自分の考え方や物の見方が変化していることも実感していて、それも楽しんでいます。例えば、ある大会では、電動車いすに乗った男性ボランティアが参加していましたが、実際に動くのは彼の指示に従った介助の男性なのです。でも、「これもボランティアの形なんだ」と新鮮でした。受け入れ側の工夫も必要ですが、個人の思いや可能性をつぶさないためには「できない」でなく、「どうしたらできるかな」と考えることの大切さにも気づきました。

それから、仕事関係とは異なる、年代もさまざまな人たちとスポーツという共通の話題でつながれるのもスポーツボランティアの魅力ですね。私の場合は10代から80代まで幅広い年代の「かけがえのない仲間たち」がいます。たぶん、同じ目標に向かって活動する「チーム感」にも引かれるのだと思います。

以前、中学校駅伝のボランティアで真冬の土砂降りの雨の中、走路確保を担当しましたが、チーム皆で励ましあえたから「完走」できました。今ではいい思い出ですが、もし一人だったら、ただ辛い思い出だったでしょう。「誰かと一緒にやること」が重要で、それが大きな達成感にもつながっていると感じています。
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写真:初級障がい者スポーツ指導員の資格取得後、さらに活動の幅が拡がった

今後の活動や目標を教えてください。

変化も受け入れ、さらに楽しむ

50歳を過ぎて出会ったスポーツボランティアですが、また新たな社会との関わり方が生まれ、視野も広がっています。私には特別なスキルはありませんが、初対面の人にも躊躇なく声をかけられる点は強みかなと思っています。そんな強みを生かして人と人をつなげながら、これからも楽しく活動を続けていきたいですね。

今年はコロナ禍で多くの大会が中止や延期となり、スポーツボランティアの活動できる現場がほとんどありません。研修会もオンラインで実施されるようになっていて、リアルな触れ合いが減っています。

でも、オンラインだからこそ、全国各地から気軽に参加できますし、集合型に比べて少人数制での実施なので、参加者からは「受講生の顔が互いに見えて楽しかった」といった感想も聞きました。リアルな現場で活動できなくても、セミナーや勉強会などで関わることも「スポーツボランティアの楽しみ方なんだ」と新たな発見をした思いがしました。

私も研修会の講師として自分の経験談も踏まえながら、スポーツボランティアの魅力ややりがいを伝えていくことにも貢献していきたいと思っています。
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写真:JSVNスポーツボランティア養成プログラム研修会で講師を務める江﨑さん

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