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2020-12-09

オンラインでの活動を共生社会の実現につなげたい

手登根 雄次さん

TEDOKON YUJI

[所属] 一般社団法人琉球スポーツサポート

新型コロナウイルスが猛威を振るう現在、さまざまな場所で新しい生活様式が求められています。それはスポーツにおいても例外ではありませんが、数々の制限や制約が設けられる今だからこそ、ボランティアの力が必要とされる場面は多くあります。これからのボランティアの在り方を考えるきっかけとなるように、参加するすべての人々の安全と安心を確保しながら活動する団体を紹介します。

新しい生活様式に即したボランティア活動
  ―コロナ禍の今、求められること―
#1【公益財団法人滋賀レイクスターズ】
#2【公益社団法人日本チアリーディング協会】
#3【一般社団法人 琉球スポーツサポート】




団体の活動内容は?

コロナ禍においてもできることを考える

当団体では、スポーツボランティアを含むスポーツ活動全般の支援・コンサルタント業務と、全国でも稀な、知的・発達障害当事者中心の総合型地域スポーツクラブ「RSSスポーツクラブ」の運営を行っています。RSSスポーツクラブでは、卓球・バドミントン・陸上・ソフトボール・ジョギングサークルなどのクラブが毎週1回程度の活動を行っており、スポーツボランティアの方はジョギングで障害当事者と一緒に走ったり、ソフトボールでノックやプレーへのアドバイス、試合時の審判などを行ったりしています。そのほかに、障害当事者とのおしゃべりや、活動の安全確保などもお願いしています。

今年4月には有償スタッフを1人増員し、組織のさらなる充実を図りました。私たちは障害者の方に向けた活動を中心に行っていることもあり、人材の発掘や登用が難しい側面があります。当時は新型コロナウイルスの国内での感染が増加し始めた頃で、当団体の活動も縮小せざるを得ませんでしたが、そのような事情から、予定通り採用することを決断しました。
コロナ禍においてできなくなったことは多々ありますが、新スタッフの声にも耳を傾けながら、今だからこそできる新しい思考や取り組みを行おうと、前向きに考えることができました。その1つに、オンラインの活用があります。

新型コロナウイルスの影響で外出する機会が少なくなると、特に障害のある人は社会との接点が減少する傾向があります。そこで、オンラインでのミーティングやおしゃべり会を企画し、ストレス発散やコミュニケーションの場所を設けるようにしました。

さらに、12月からはオンラインスポーツ教室を開始予定です。プログラムの作成に当たっては、室内で気軽に行えることと、障害当事者の発達を促すトレーニングとなることを念頭に置きました。また、対面での直接的な指導ができないことから、スタッフがライブでトレーニングを実践しながらだと、十分な運動が行えない恐れもあります。そこで、事前にトレーニング動画を撮影し、私たちは障害当事者が実践している様子を見ながら、うまくできていない人には個別に声かけを行う形式を考えています。
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写真:オンラインスポーツ教室の様子(講師と参加者が見本となり配信)

活動時に注意していることは?

状況に応じて柔軟に対応する

7月からはスポーツクラブでの活動も再開しました。再開当初は感染への警戒からか、参加者は通常より少なかったものの、現在はこれまでとほとんど同じ状態で活動することができています。参加者にも活動再開を喜んでいただいています。運動ができるだけではなく、活動を通じてコミュニケーションが生まれ、話をする機会が増えたことが特にうれしいようです。
ただ、感染予防のために変更を余儀なくされた部分はあります。手洗い・うがいや消毒、体温測定のほかに、マスク着用やソーシャルディスタンスには入念に注意を払っています。

屋外においては十分な距離を保つことを前提に、マスクは着用せずに活動しています。屋内では卓球とバドミントンを行いますが、この2競技は対面で打ち合う場面が多いため、マスク着用と十分な換気を徹底しています。
マスクを着用しながらの運動は、過度な体温上昇や脱水を引き起こす恐れがあります。また、参加者のなかにはてんかん発作をもっている人もおり、酸素不足によって発作が生じることも考えられます。

屋内での活動はマスク着用が必須ですが、しゃくし定規になり過ぎないように、必要に応じて柔軟に対応することを心がけています。
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写真:感染予防に配慮した室内活動の様子

障害者指導の工夫は?

身体接触も時には必要となる

コロナ禍においては、障害当事者同士はもちろん、障害当事者とスタッフ及びボランティアとの接触にも十分な注意が必要です。例えばジョギングでは、これまでは障害当事者の手を取って運動することもありましたが、現在では可能な限り接触する回数を少なくするようにしています。

ただ、障害当事者の支援において、身体接触を全くなくすことは現実的ではありません。歩く場所や方向を確認するために、身体に触れて導くことがどうしても必要な場面もあります。その際の感染リスクを可能な限り低下させるためには、マスクの着用や消毒が欠かせません。

身体接触についても、あまり厳しく制限してしまうと活動そのものがままならなくなってしまいます。コロナ禍において、通り一辺倒の対応では十分な活動を行うことはできません。その時々に応じて試行錯誤しながら、正しい判断を下す必要があると感じます。

私たちは活動前に必ず、担当する場所や行ってほしい役割などを、スタッフとボランティアとで話し合うようにしています。また、責任や負担が大きいものはスタッフが行い、ボランティアには障害当事者と一緒に歩いてもらったり、話し相手にもらったりなどの補助的な部分をお願いしています。人数不足などの理由でボランティアに具体的な指導や支援を行っていただく際には、スタッフと情報交換を行いながら、どこまで協力いただけるかを確認するようにしています。コロナ化での活動が数ヵ月となり、ボランティアの方は新しい活動に順応していただいているように感じます。

最近では、障害者スポーツ指導員の資格をもつ大学生が活動に参加する場面が増えています。その際には運動時や新型コロナウイルスの注意点を入念に説明した上で活動するようにしています。
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写真:人との距離に配慮した屋外活動の様子

今後の活動方法は?

コロナ禍が終わってもオンラインは継続したい

前述したオンラインを駆使した取り組みはコロナ禍以降に開始したものですが、今後に新型コロナウイルスが終息しても継続したいと考えています。

障害当事者のなかには外出ができず、家にこもりがちになっている人もいます。当クラブを訪れるのは難しくても、家のなかであれば話をしたり、運動したりできる人は多いかもしれません。オンラインはそのような人の大きな助けになると考えています。
また、私たちはeスポーツを活動に取り入れています。オンラインでの対戦や大会などを行うことで、障害当事者の活動の機会はさらに増加するはずです。

どのような形であれ、活動に参加することで他者とのコミュニケーションが生じます。その接点を多く設けることで活動に積極的になり、ゆくゆくは当クラブに足を運んでいただき、一緒に活動できるかもしれません。

私たちは障害当事者の実態を多くの人に知ってもらうことを目的に、健常者が多くいる場所で活動を行っています。オンラインは活動参加の第一歩となる可能性があり、それがひいては、障害当事者と健常者との共生社会の実現につながると期待しています。

一般社団法人琉球スポーツサポートWebサイト
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写真:卓球とeスポーツを交互に挑戦している様子

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