メインロゴ
  1. スポボラ.netトップ
  2. 活躍する人たち
  3. 久家 正嗣さん

2020-11-05

地元と共存しながら、湘南地域にスポボラ文化を根づかせたい

久家 正嗣さん

Kuge Masatsugu

[所属] 特定非営利活動法人湘南スポーツコミュニティセンター  事務局 ボランティア担当

久家正嗣さんが10月4日に急逝されました。
穏やかな笑顔と熱い思いで、スポーツボランティアの普及・発展にご尽力くださり、まさに『スポーツボランティアで活躍する人』でした。
JSVNスタッフ一同、心からの感謝と哀悼を表します。
[取材日2020年9月23日]

「ボランティア担当」という業務の内容や携わったきっかけは?

ランナーから大会を支える側に

湘南スポーツコミュニティセンター(SSCC)は2011年に、マラソン大会の運営などスポーツ振興事業とボランティア力を生かした地域活性化の実現を目的に設立されました。会員制の団体で、地域で活躍する大勢のスポーツボランティアに登録いただいています。

私の仕事は主に、年に10大会ほど主催しているマラソン大会のボランティア募集や大会当日の現場での補佐から、会員向け会報の作成などボランティア活動をコーディネートする業務です。

私自身も15年ほど前に健康目的で走り始めたランナーで、2006年に「走ることに関わる仕事に就きたい」とマラソン大会の企画・運営などを行う企業に転職しました。当初は大会開催にあたって国土交通省など関係各所への許可申請といった調整業務に携わっていました。

大会開催を重ねるごとに、継続して参加してくださるボランティアの方が増えていったこともあり、ボランティア文化を根づかせ、普及していくためには「専門部署が必要」という声が高まりました。そこで、SSCCが設立され、私も関わることになりました。

スポーツボランティアはマラソン大会を支える大切な人材です。その普及や文化を継承する業務に、やりがいをもって取り組んでいます。

-----------
写真:JSVN正会員情報交換会にて団体紹介をする久家氏。(2019年6月撮影)

今年はコロナ禍でスポーツ界も自粛を余儀なくされました。マラソン大会運営への影響は?

世界初の試み「マイボトル・マラソン」への挑戦

多くの大会を中止しましたが、SSCCが関わるなかで最大規模の「湘南国際マラソン」については今、開催の方向で準備を進めています。神奈川県の西湘バイパスをコースとし、2007年に初開催された大会で、昨年の第14回大会では参加ランナー数は約25,000人、準備期間も含めた4日間でボランティアはのべ3,000人が活躍しました。

15回目を迎えた今年から新しい形式の「マイボトル・マラソン」に生まれ変わります。昨年から温めていた形式ですが、これまでと違い給水所に水の入ったカップは置きません。ランナーの皆さんがそれぞれ「マイボトル」や「マイカップ」を携帯し、ジャグ(給水器)から補給しながら走っていただきます。

過去大会では毎回、25,000人のランナーに対し13カ所の給水所を設け、水とスポーツドリンクを合わせ31,500本のペットボトルと50万個もの使い捨てカップを用意していました。「マイボトル・マラソン」はこれからの地球環境に配慮した「ゴミを出さないマラソン」をめざす形式で、この規模の大会としては「世界初の試み」となります。

神奈川県が打ち出している「プラごみゼロ宣言」にもマッチする試みで、地域と共存し一緒に育てていきながら、他の大会にも波及するモデルになれればと思っています。ランナーのタイムロスになるという声もありますが、「できることから挑戦してみませんか」という提案も込めています。

当初は12月開催で準備していましたが、コロナ禍に見舞われ、私たちも来年に延期という選択肢も含め、オンラインで協議を重ねました。しかし、ほとんどの大会が中止や延期されるなかで、「リアルな大会を提供して、ランナーにフィニッシュゲートをくぐる達成感を味わってほしい」という思いが強まり、開催の可能性を探ることにしました。

そして、神奈川県とも相談し、今年度内(~2021年3月)の2月28日に延期して開催することを決めました。もちろん、引き続きコロナウイルスの感染状況の推移を見守る必要があり、開催可否など最終判断はギリギリのタイミングで12月10日に行う予定です。もし、その後に緊急事態宣言などが発令されれば、改めて中止の可能性もありますが……。

▼「第15回湘南国際マラソン」公式サイト
https://www.shonan-kokusai.jp/15th/


-----------
写真:前回大会の給水所の様子。テーブルの上には、無数の紙コップが置かれている。

大会が減り、ボランティア活動機会も少ないなか、リアルな大会は貴重です。

コロナ対策と新しいボランティアスタイル

今年の大会はコロナ対策のため、例年とは異なる実施となり、たとえば、種目をフルマラソンに絞り参加人数も18,000人に減らすなど大会規模を縮小します。ボランティアの人数も大会当日のみの活動で2,500人に抑え、10月1日から募集を始めました。

過去大会では大学生や中学生など学校単位でのボランティア参加もありましたが、今回は難しいでしょう。「世界初のマイボトル・マラソン」に挑むランナーを支える「世界初のボランティア」として、多くの方に参加していただけると嬉しいです。

ボランティア向けのコロナ対策として事前説明会をオンラインで実施し、できる限り不安を取り除くよう心掛けます。マスクは各自、ご用意いただきますが、除菌用スプレーを全員に配布したり、他者との接触の多い部署ではフェイスガードを用意します。

新しいボランティアスタイルも経験できるかと思います。これまでは「積極的にランナーに声掛けを」と呼びかけてきましたが、コロナ禍の今、大声は控えなければなりません。そこで、ランナーへの一言メッセージを書いたボードを首から下げてもらい、声でなく文字で応援していただきます。実はこれまでも「ランナーの背中を押すメッセージ」を募集しストックしていたので、有効に活用したいと思っています。

-----------
写真:一言メッセージが書かれたボードでランナーを鼓舞する前回大会のボランティア。

画期的なマイボトル制となる「新生・湘南国際マラソン」。どんな大会にしたいですか?

ランナー・ボランティアと共に歩み出す、先につがるステップに!

スポーツ大会が変化せざるを得ない状況のなか、スポーツボランティアも変わらねばならないと思っています。オンライン大会も増えていますが、そこにボランティア活動はほとんどありません。ですから、やり方しだいではリアルな大会も開催可能なことを示す先駆けの大会にもなれればと思っています。

ボランティアにもマイボトル持参をお願いするほか、例年は配布していたウエアもリユース制に変えます。ランナーだけでなく、ボランティアにも環境に配慮した大会作りに一緒に関わってほしいという思いからです。

9月初旬にランナー募集を開始した途端、応募者殺到でシステムがダウンしました。ランナーからの期待の高さをひしひしと感じ、責任も強く感じています。開催できるに越したことはありませんが、無理して開催してクラスターにならないよう、中止の判断をする勇気も必要だと思っています。安心・安全をどこまで担保できるか、そのために何が必要か、ギリギリまで考えていかねばなりません。

過去に前例のない、新たな取り組みをいろいろ行っています。先につながるステップ、大事な試金石の大会となるべく、覚悟をもってチャレンジします。ボランティア担当として、私もしっかり貢献したいと思っています。

▼「第15回湘南国際マラソン ボランティア募集ページ」
https://spovol.net/volunteers/detail/?pid=535

-----------
写真:前回大会のボランティア。湘南国際マラソンでは、12月4日までボランティアを募集している。

OTHER PEOPLE他の活躍する人たちを見る

一覧に戻る
ページトップへ